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結膜炎について

結膜とは
- 白目(強膜)の表面とまぶたの内側を覆っている薄い膜です。粘液を分泌して、眼球の表面を常に潤しています。まぶたを開いている間ずっと外部にさらされていて、とても刺激を受けやすい部位で、感染やアレルギーなどによる炎症を起こしやすいと言われています。このように結膜に起こった炎症を総称して結膜炎といいます。
感染性
- ウイルス性結膜炎
  - 流行性角結膜炎：アデノウイルス８型、19型、37型（風邪の原因ウイルスの一種）の感染によって起こる結膜炎です。伝染力が非常に強く、俗に「はやり目」と言われるものの代表です。結膜炎にかかった人の目を触った手で他の人の目を触れば感染しますし、その他タオルなどを介しても感染します。 1週間前後の潜伏期間があります。結膜だけでなくしばしば角膜（黒目）にも炎症が広がり、角膜が傷ついたり、淡い濁りができたりすることがあり、視力低下を残すこともあります。症状は、結膜が充血して、目やにや涙が増え、ゴロゴロ感、まぶしい感じなどがあらわれます。耳の前のリンパ腺（耳前線）の腫れたりします。子どもや症状が強い人の場合は、まぶたの裏の結膜に偽膜という白い膜ができ、これが眼球の結膜に癒着をおこすことがあります。また炎症が強いと黒目の表面がすりむける角膜びらんを伴い、目がゴロゴロしたり、とても痛くなることがあります。結膜炎は発病から１週間前後で症状がピークをむかえ、その後だんだん軽くなり２〜３週間で治ります。片方の目に発症して数日後に、もう一方の目にも同じ症状がでてくることが多いようです。あとで発症した方の目は症状が軽くて済むことが多いようです。最近では綿棒等で結膜を擦過して、結膜上皮細胞中のアデノウィルス抗原検出する検査をします。（しかし、これが陰性でも否定は出来ません。）治療は、残念ながら風邪同様特効薬はありません。自分の身体が抵抗力を高めるため、無理しないことが大切です。眼科では、2次感染予防の為に抗生剤の点眼を処方したり、抗炎症作用の点眼を処方したりします。この病気にかかったら、他の人にうつさないようにすることが重要です。家庭や職場では、2次感染を防ぐため手を石鹸でよく洗い、別のタオルを使用して下さい。タオルなど煮沸できるものは煮沸消毒をします。お風呂は、一番最後に入り感染しないように注意しましょう。子供の場合には、学校や幼稚園を休ませなくてはなりません。

咽頭結膜熱（プール熱）:アデノウイルス３型、４型、７型によって起こります。プールで感染することが多く、「プール熱」とも言われています。症状は流行性結膜炎ととても似ていますが、発熱、咽頭炎（のどの腫れ）を伴います。１週間くらいでよくなりますが、数週間、便の中にウイルスがでていますので、治っても数週間はプールは控えます。治療は流行性角結膜炎に準じます。

急性出血性結膜炎:エンテロウィルス70型によって起こります。潜伏期間は1日ほどです。アデノウイルスによる結膜炎と同じような症状で１週間くらいで治ります。治療は流行性角結膜炎に準じます。

細菌性結膜炎
- 細菌感染による結膜炎で、結膜が充血し、目ヤニが出たりします。原因となる細菌はいろいろありますが、ウイルス性結膜炎と異なり有効な点眼薬（抗生物質）があります。

アレルギー性
- アレルギーとは:人体には、病原体など異物が体内に入り込もうとすると、それを察知して排除する免疫機能があります。この「免疫」のしくみがあるために、かえって人間にとって不都合なことが起こることがあります。このように「免疫」の働きが人間にかえって害を与えることになる場合は、「アレルギー」と呼ばれます。花粉や、ダニ、ペットの毛、特定の食べ物などがよく原因となります。結膜は直接空気と接しているので、様々な異物が飛び込んできやすく、また結膜には、細かい血管が豊富に存在し、またリンパ組織という免疫反応（体が異物に対して反応すること）を起こす組織もあるため、アレルギー反応をおこしやすいと考えられます。

アレルギー性結膜炎:季節性アレルギー性結膜炎と通年性アレルギー性結膜炎があります。季節性アレルギー性結膜炎は樹木や牧草、イネ科の植物の花粉が原因であることが多く、代表的なものはスギ花粉などによる「花粉症」です。雑草の花粉によるアレルギー性結膜炎は夏から秋の初めにみられます。通年性アレルギー性結膜炎は1年を通して起こるもので、主な原因としてはチリダニや動物のフケ、羽毛などがあります。症状としては、眼のかゆみ・充血・異物感・目やになどです。治療は抗アレルギー剤やステロイド剤の点眼を用います。

春季カタル:アレルギー性結膜炎の重症のもので、春から夏に増悪しやすいのでこの名前があります。自覚症状が強く、苦痛のために生活にかなりの支障があります。青少年男児に多く、14、5歳頃より症状が軽くなって、自然によくなってしまうことが多いようです。痒みのほかに角膜障害を伴うことが多いのが特徴で、これは上眼瞼の裏に石垣状の隆起ができ、まばたきのたびに角膜表面を擦ることによります。ひどい場合は角膜が白く濁り視力低下をきたすこともあります。治療はアレルギー性結膜炎に準じますが、最近では重症例には免疫抑制剤の点眼が使われることもあります。

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